- 正常性バイアスについて知りたい人
- 正常性バイアスの具体例が知りたい人
- 正常性バイアスにならない方法が知りたい人
『正常性バイアス』とは、想定外のことに遭遇した時「大したことではない」「自分は大丈夫」と判断し、心を平穏に保つ心理現象です。
例えば
「明日、地球は滅亡します」
と、言われた時にどう思いますか?
普通なら「そんなはずはない」「起こるわけがない」と思いますよね。
いちいち真に受けていたら、精神的に疲れてしまいます。
このように思うのも正常性バイアスの機能で、心を落ち着かせてくれて過度な心労を防いでくれています。
ただ、上記のように良い面もあるのですが、裏を返すと事態を過小評価してしまっているとも言えます。
「正常性バイアス」は、私たちの心を平穏に保ってくれる心理現象ですが、悪い点もしっかり把握しておく必要があります。
今回は、そんな「正常性バイアス」について、具体例をあげ、分かりやすく解説していきたいと思います。
では、どうぞ!
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目 次
「正常性バイアス」とは

正常性バイアスとは、人間が想定していない事態に遭遇した際に
「そんなことはありえない」
「自分は大丈夫」
「なにかの間違いだ」
など、事態を過小評価し、大したことないものだと判断してしまう心理現象です。
※「正常化の偏見」「恒常性バイアス」とも言い、主に災害や医療などの心理学で用いられる用語です。
”想定外”のことに、いちいち反応していては精神的に疲れますし、ストレスも溜まります。
人の心を平穏を保つために「正常性バイアス」は必要不可欠な心理現象です。
つまりこれは一種の自己防衛機能であり、「日常生活のストレス軽減」や「有事の過剰なパニック」にならないための機能といっても良いでしょう。
しかし、そんな人の心を平穏を保ってくれる「正常性バイアス」ですが、良いことばかりではありません。
次項より「正常性バイアスが招く悪影響と具体例」をいくつか紹介したいと思います。
一見良さそうな心理現象だけど、どんな悪影響があるんだろう?
ちなみに「正常性バイアス」は認知バイアスの一種となっており、認知バイアスは以下の通りです。
自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
下記にいくつか例をあげます。
「正常性バイアス」が招く悪影響と具体例

正常性バイアスが招く悪影響は以下の2点となっています。
- 行動が遅れる
- 冷静な判断ができなくなる
それぞれの悪影響に対して具体例を記載し、分かりやすく説明していきます。
行動が遅れる
正常性バイアスとは、事態を過小評価し大したことではないと思う心理現象と説明したと思います。
この機能のおかげで心が平穏に保たれるのです。
ただ、本当に対応しないといけない事態であっても、この心理現象のせいで行動が遅れる場合が多々あります。
例えば、以下のような災害や緊急事態が発生した場合、みなさんは早急に対応できますか?
- エレベーターが急に止まった
- 避難勧告・緊急速報が発令された
- 非常ベルがなった
- 大雨で川が氾濫した
- 未知のウイルスが蔓延した
起きたら大変なことは理解できていると思いますが、どこかで自分には関係ない話だと思ってしまっている方も多いと思います。
「非常ベル」は学校や職場でよく耳にしますし、最近は大雨や地震などの災害の前には「避難指示・緊急速報」が自動的にスマホに通知されます。
訓練や誤報なら問題ありませんが、実際事象があったとしても「あ~自分には関係のないや」と、1度は思ったことがあるはずです。
それが”関係あった場合”、行動が遅れてしまい非常に危険な状況となるのです。
よく災害の際に、その状況をスマホなどで撮影している方をニュースなどで見ることも多いと思います。
周りから見ると「いや、危ないから批難しろよ」と思いますが、撮っている本人は「自分は大丈夫」と思ってしまっているのです。
これが正常性バイアスの危険な部分です。
「未知のウイルス(コロナ)」に関しては、全世界の人が正常性バイアスに陥っていたと言っても過言じゃないよね
その通りだね。
今でも「自分だけは大丈夫」「大したことはない」って思っている人は山ほどいると思うよ。
ちなみに、正常性バイアスは周りに人が多いほど陥りやすくなりますが、同じような心理現象で『同調バイアス』というものがあります。
周囲の人間と同じ行動の方が安全だと考える心理現象。
「正常性バイアス」と「同調バイアス」が重なることで、災害時は被害が甚大化することがあります。
冷静な判断ができなくなる
先ほど説明した「行動が遅れる」の他にも「冷静な判断ができなくなる」という悪影響もあります。
上記の「災害・緊急事態」の例では、緊急時のため冷静な判断が難しくなるのは理解できると思いますが、「正常性バイアス」は緊急時だけに起こることではありません。
平常時には以下のようなことが正常性バイアスによって起きてしまいます。
- 決まりやルールを守らない
- 違法行為・不正をしてしまう
- 都合の悪いことは目を背ける
どれも「自分だけは大丈夫」「大したことがない」と事態を過小評価することで起こりえる事象です。
「自分だけはルールを守らなくても大丈夫」
「これぐらいの違法なら問題無いだろう」
「これは…見なかったことにしよう」
などなど、後から冷静に考えれば良くないことというのは十分に理解できるのですが、その時には冷静な判断ができないのです。
これも正常性バイアスの悪影響と言えるでしょう。
「正常性バイアス」 3つの対処法

では、どのようにしたら「正常性バイアス」に陥りにくくなるのか、具体的な対策を紹介します。
以下の3つを心がけるようにしてみてください。
- 正常性バイアスについて知る
- 最悪なパターンを想定しておく
- 自分だけ特別なことは無いと思うようにする
1つずつ簡単に説明していきます。
正常性バイアスについて知る
まずは「正常性バイアス」を知ることが重要です。
少しでも知っているだけで、いざそのような場面に出くわした時に、思い出すことがあります。
その点に関しては、本記事をここまで読んでくれた方は十分に対処ができていると思います
「まったく知らない」のと「少しでも知っている」を雲泥の差ですので、今後も心理現象については勉強をすることをおすすめします。
本ブログでも「心理効果」については、定期的記事にしますので、一緒に勉強していこう!
最悪なパターンを想定しておく
いざという時にどのような行動をとるべきか想定しておくことも大切です。
先ほどの災害・緊急事態の例でいうと以下の赤字のようになります。
- エレベーターが急に止まった
⇒呼び出しボタンを押し外部と連絡を取る - 避難勧告・緊急速報が発令された
⇒自分の現在地・自宅等が影響範囲なのかすぐに確認する - 非常ベルがなった
⇒とりあえず退避、安全確認をする - 大雨で川が氾濫した
⇒氾濫する範囲および避難場所を確認する - 未知のウイルスが蔓延した
⇒感染予防対策をして、政府の指示に従う
このような行動は、突然できるものではありません。
常日頃から「”もし”緊急事態が起こったらどうすれば良いのか」を頭の中でシミュレーションしておくことが大切です。
行動した後に、誤報であったとしても少し骨折り損になるだけです。
自分や大切な人に被害が及ぶよりはよっぽどマシでしょう。
自分だけ特別なことは無いと思うようにする
正常性バイアスに陥ると「自分だけは大丈夫」という謎の根拠・自信が湧いてきます。
そのため、常日頃から「自分だけ特別なことは無い」と思うようにしておくことが対策としては有効です。
人間はどうしても自分を信用してしまうため、そこを抗うのは難しいことですが、これは訓練を繰り返すしかありません。
少しずつ意識を変える練習をしてみてください。
意識を変えるのは難しいよね。
でもちょっとでもいいから意識するのは絶対効果ありと思う。
そーだね。
自分や大切な人を守るためと思えば少しは継続しやすくなるよ!
まとめ:正常性バイアスは距離感が大事
正常性バイアスとは
- 想定外のことに遭遇した時「大したことではない」「自分は大丈夫」と判断し、心を平穏に保つ心理現象
正常性バイアスが招く悪影響
- 行動が遅れる
- 冷静な判断ができなくなる
正常性バイアスの対処法
- 正常性バイアスについて知る
- 最悪なパターンを想定しておく
- 自分だけ特別なことは無いと思うようにする
正常性バイアスは「心を平穏に保ってくれる」良い面もありますが、気を付けないといけない部分も多々あります。
正常性バイアスの特性についてしっかり理解し、適度な距離感で付き合っていくことが大切です。
本記事をきっかけに少しでも、心理効果について興味を持っていただけたら幸いです。
本ブログでは、他にも「人生を少し豊かに」する内容や「心理効果」について発信しているので、お時間がある時に見ていただけると嬉しいです。
では、また!!
りりまん