- 敵意帰属バイアスの意味が知りたい人
- 敵意帰属バイアスの具体例が知りたい人
- 敵意帰属バイアスの原因と対策が知りたい人
『敵意帰属バイアス』
あまり聞き馴染みのない言葉だと思います。
ただ、この状況に陥ってしまっている人は多く見かけます。
もしかしたら、この記事を読んでくれてるあなたも、その一人かもしれません。
敵意帰属バイアスとは、「敵意」とつくだけあって、周りの人達の意見が『悪口』や『嫌み』、それに似た内容に感じてしまう現象です。
感覚的には『被害妄想』や『勘違い』に近いのですが、そんな簡単な話でもなく、対処法を誤るとお互い辛い思いをしてしまいます。
今回は、そんな『敵意帰属バイアス』について分かりやすく説明していきます。
単純な「勘違い」なら、そこまで問題じゃない気もするけど?
そこなんだよね。
思ってるよりややこしい問題なんだよ、、、
運営者プロフィール・ Twitter(@ririmannonline)
目 次
「敵意帰属バイアス」とは

敵意帰属バイアスとは『他者の言動を「悪意のあるもの」と感じてしまう心理傾向』のことです。
また、帰属とは心理学用語で「言動の原因を何のせいにするか?」を指すもので、これを『敵意』に帰属させることから敵意帰属バイアスと呼びます。
そして、敵意帰属バイアスは認知バイアスの一種とされています。
自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
下記にいくつか例をあげます。
では、なぜ敵意帰属バイアスに陥ってしまうので、原因をご説明します。
「敵意帰属バイアス」の原因

敵意帰属バイアスの原因は、相手の言動を「悪意」だと思い込んでしまう認知の歪みが原因です。
このような「認知の歪み」が発生するのかは、今まで育ってきた環境や人間の本能の部分が起因します。
そして、特に以下のような人は敵意帰属バイアスに陥りやすいと言われています。
- 自己肯定感が低い
- コンプレックス・トラウマがある
- 視野が狭い
- 自信がない
- 人生経験が浅い
総評すると、自分を認めてあげる余裕がない人と言い換えることができます。
様々なことに自信がないから、他者からの意見は「自分を陥れようとしてるに違いない!」と思い込んでしまうのです。
弱い自分を守るための、一種の防衛反応とも言えるでしょう。
そして、ここが重要なのですが「理解不足」や「説明不足」が原因ではないということをきちんと理解しておきましょう。
これを理解していないと、もし敵意帰属バイアスの人と対峙した場合、話は平行線を辿るだけになります。
その人なりに話は理解しているのです。
より根幹の認識に歪みがあるから「敵意」や「悪意」を感じてしまうのです。
ん~、難しい問題だね、、、
単純な勘違いとは別物だ。
「敵意帰属バイアス」の具体例

敵意帰属バイアスに陥っている人は、とにかく相手の意図している気持ちを違う感情で受け取ってしまいます。
具体例は以下の3点です。
- ただの質問なのに、ディスられたように感じる
- 褒められているのに、嫌みに感じる
- 不可抗力なのに、意図的に感じる
1つずつ説明していきます。
ただの質問なのに、ディスられたように感じる
例えば、Aさんは頭が良く勉強がよくでき、Bさんは勉強が苦手だとします。
そして、AさんはBさんに勉強を教えてあげようと、「なにが分からないの?」と質問したとします。
すると、Bさんはこう答えます。
敵意帰属バイアスに陥っていない場合
⇒「○○が分からないんだよね、教えてくれる?」
敵意帰属バイアスに陥っている場合
⇒「お前は勉強ができていいよな!!ほっといてくれよ!!」
Aさんの「なにが分からないの?」という質問に悪意を感じてしまっているのです。
褒められているのに、嫌みに感じる
AさんがBさんのことを「Bの○○のところはほんと凄いよね~」と、褒めるとします。
すると、 Bさんはこう答えます。
敵意帰属バイアスに陥っていない場合
⇒「まじ?ありがとうー!!」
敵意帰属バイアスに陥っている場合
⇒「そんなことはない!(なにか裏があると思ってしまう)」
純粋な気持ちで褒めていても、相手に上手く伝わりません。
不可抗力なのに、意図的に感じる
例えば、AさんとBさんは満員電車に乗っているとします。
満員なので、電車の揺れで体がぶつかってしまったりすることがあると思います。
もし、AさんがBさんに当たってしまった場合、Aさんは「あっ、すみません」と言ったとします。
すると、Bさんはこう答えます。
敵意帰属バイアスに陥っていない場合
⇒「大丈夫です大丈夫です!」
敵意帰属バイアスに陥っている場合
⇒「ちっ、ふざけんなよ、、、」
わざと行ったわけではないのに、故意で行ったように感じてしまうのです。
「敵意帰属バイアス」の対策

では、敵意帰属バイアスの対策についてご説明します。
対策は以下の通りです。
- 「自分」が敵意帰属バイアスに陥らないための対策
- ①敵意帰属バイアスを理解する
②感情を整理する - 「相手」が 敵意帰属バイアスに陥っている時の対策
- ①自分の意見を説明しない
②できれば関わらない
③聞き手にまわる
1つずつ説明していきます。
「自分」が敵意帰属バイアスに陥らないための対策
まず、自分が「敵意帰属バイアス」にい陥らないための対策を見ていきましょう。
①敵意帰属バイアスを理解する
ます、敵意帰属バイアスについてある程度理解することができれば、自分が陥る可能性は少し低くなります。
「知っている」ことと「知らないこと」で大きく認識が変わってくるので、知識としての習得は重要です。
そうゆう意味では、この記事をここまで読んでいただけている方は、すでに敵意帰属バイアスに陥りにくい状態になっていると言えるでしょう。
②感情を整理する
敵意帰属バイアスに陥っている時に抱く感情は「怒り」や「嫉妬・妬み」が大半です。
つまり、そのような感情が湧いてきた時点で「敵意帰属バイアス」に陥っている可能性があります。
自分が何に対して「怒り」や「嫉妬・妬み」を抱いたのか整理してみましょう。
一度時間をおいて考えてみるのもひとつの手段です。
感情に任せて口論してしまうと後々後悔してしまうことがありますし、言った手前後に引けなくなることもあります。
自問自答を繰り返して、認知エラーがないか確認してみましょう。
「相手」が 敵意帰属バイアスに陥っている時の対策
次に会話の相手が敵意帰属バイアスに陥っている時の対策です。
①自分の意見を説明しない
先ほどの 「敵意帰属バイアスの原因」の部分で説明しましたが、敵意帰属バイアスは相手の「理解不足」や話し手の「説明不足」が原因ではないのです。
つまり、こちらがいくら丁寧に説明しても、相手は話の内容は理解しているので、そこが問題ではないということです。
より根本の、認知の歪みを治していく必要があるのです。
しかし、そんなに簡単に「認知の歪み」は解消しません。
今まで育ってきた環境や、周りの影響を受けて構築された認知はそう簡単に変わらないです。
そのため、こちら側の意見を一生懸命説明すればするほど、問題は深刻化していく可能性があります。
相手が「敵意帰属バイアス」に陥っていると感じれば、一度口論を中断することをおすすめします。
②できれば関わらない
親しい間柄の人が「敵意帰属バイアス」に陥っている場合は、時間をかけてどこの認知が歪んでいるのか探究し改善していくことは可能です。
しかし、これは根気のいることなので誰でも彼でもできることではありません。
あまり仲良くない人の話を一生懸命聞いて、「この人を改善させたい!」と思う人は少ないでしょう。
つまり、基本的に敵意帰属バイアスに陥っている人とは関わらないことをおすすめします。
冷たいように感じますが、双方が関わっていて得することはありません。
ゴールのない議論を繰り返して時間を浪費させてしまうぐらいなら関わらない方がましです。
③聞き手にまわる
関わらないといいつつ、どうしても治してあげたいという方はとにかく相手の発言を聞いてあげてください。
とにかく聞き手に周り、どの部分がその人の考え方の基になっているのかを探し出してください。
こちらの意見を言わなければ、口論になることもないと思います。
心の中では違うと思いつつ、話を聞くのは辛いかも知れませんが、それだけ大変な作業だということを知っておくことが大切です。
まとめ:敵意帰属バイアスは意外と厄介な心理効果
「敵意帰属バイアス」についてまとめます。
以下のリンクをクリックすると各タイトルに移動できるので、良く分からなかった部分は復習してみてください。
本記事を読んでいただけた方は「敵意帰属バイアス」についてある程度理解してもらえたと思います。
そして同時に「厄介な心理効果だな」と感じたと思います。
実際にその通りで、この心理効果を知らないまま敵意帰属バイアスに陥っている人と対話すると埒が明きません。
知っているのと知らないとでは対応策が大きく変わってくるので、今後の身の振り方にも影響が出てくると思います。
この記事がお役に立てることを願っています。
本ブログでは、他にも「人生を少し豊かに」する内容や「心理効果」について発信しているので、お時間がある時に見ていただけると嬉しいです。
では、また!
りりまん