- 後知恵バイアスについて知りたい人
- 後知恵バイアスの具体例が知りたい人
- 後知恵バイアスにならない方法が知りたい人
後知恵バイアスとは『物事が起きてから、それが予測可能だったと感じてしまう心理傾向のこと』です。
言い換えると「結果を知ってから、過去の記憶を都合よく変換している」とも言えます。
人間の認識や記憶というものは意外と曖昧で「結果を知る」ことで、それまでの過程も大きく変わってしまうのです。
今回はそんな「後知恵バイアス」について、分かりやすく解説していきます。
小さい頃に親によく「そら見たことか!」って言われた記憶があるけど、それも後知恵バイアスなのかな?(笑)
その可能性はあるね!
具体例も後述するから見てイメージを掴んでみてね!
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目 次
後知恵バイアスとは

後知恵バイアスとは冒頭でも記載いた通り『物事が起きてから、それが予測可能だったと感じてしまう心理傾向のこと』です。
簡単に言うと「やっぱりそうなると思っていた」「最初からそうなる気がしていた」という思考のことです。
そして「後知恵バイアス」は「認知バイアス」の一種となっています。
自分の思い込みや周囲の環境といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
下記にいくつか例をあげます。
では、具体的にどのようなことが「後知恵バイアス」に該当するのが例をあげて説明していきます。
後知恵バイアスの具体例
まず下の写真を見てみてください。
昨日みなさんが居た地域の空模様とします。
「雲の色は何色に見えますか?」

この質問で、昨日晴れた地域にいた人は「白」と回答し、天気が悪い地域にいた人は「灰色」と回答します。
白か灰色の2択でなくとも「白⇒灰色」までを仮に5段階に分けて、「どれが該当するかで選択しろ」と言われた場合も同様の事象が発生します。

天気が良かった方は白色に近い方を選択し、天気が悪かった方は灰色の方を選択しやすくなります。
これが典型的な「後知恵バイアス」になります。
他にも「順位」「勝敗」を予想することの多くは後知恵バイアスに陥りやすいです。
例えば「競馬」「選挙」「野球のリーグ戦」「格闘技」などです。
経験がある方も多いと思いますが、順位や勝敗が確定した後に「あ~やっぱりそうなったか!」「これは予想してたよ!」
と、なる場合が多々あります。
実際全く想定していなかったことも結果が分かった途端、都合よく解釈するようになるのです。
テレビのコメンテーターなども似たような発言をしているのをよく目にすると思います。
確かにね…
負け惜しみに近い感じなのかな?
それも少なからずあると思うよ!
精神的にそっちの方が安定するしね。
このように後知恵バイアスに陥ると、自分が体験した内容や知識・結果によって、物の見方というのは変わってきてしまいます。
では、次に後知恵バイアスに陥った際の悪影響について、簡単にご紹介していきます。
後知恵バイアスがもたらす悪影響

「後知恵バイアス」がもたらす悪影響は以下の3点です。
- 自身を過大評価してしまう
- 原因究明を実施しない
- 周りから嫌がられる
1つずつ簡単に説明します。
自身を過大評価してしまう
ここでおさらいです。
後知恵バイアスとは『物事が起きてから、それが予測可能だったと感じてしまう心理傾向のこと』でした。
つまり、これを踏まえると「結果を知っている状態だから予測できている」のです。
ただ本人は「結果を知らなくても自分は十分予想ができている」と勘違いしてしまっています。
このギャップが、自身の評価を過大にしてしまい、物事を適正に判断する妨げになってしまいます。
何事も客観的に適正に見れるようにしないとね!
原因究明を実施しない
後知恵バイアスによって「自分は正しく予測することができている」と認識してしまうことで、改善ができなくなることがあります。
例えば、以下のようなパターンが挙げられます。
- Aさん、Bさんが同時期に会社を設立
- 3年後にAさんの会社が倒産
- BさんはAさんの会社の倒産は想定内(予測できていた)と思う
- さらに3年後、BさんもAさんと同じ理由で倒産
図で表すと以下の通りです。

つまり、結果だけを見て予測できていると満足しているだけでは、なんの改善にもなっていないので同じミスをしてしまうということです。
上記の例の場合、Aさんが倒産した時点でBさんはその原因をしっかり探究しておけば、倒産は回避できたかも知れません。
これは、後知恵バイアスによる悪影響の最たるものかも知れません。
周りから嫌がられる
後知恵バイアスに陥っている人は非常に多いです。
そして、基本的に後知恵バイアスに陥っている人は周りから嫌われます。
みなさんの周りにもいるかもしれませんが
「やっぱりね!俺はそうなると思ったよ」
「もう!だから言ったじゃない(言ってない)、そんな案はダメだって!!」
「だから僕はやらなかったんだよ」
このような発言をしてくる人を好きになれますか?
ちょっとしたことなら問題ありませんが、仕事関係となると嫌になりますね。
しかも、これの怖い部分は言っている本人は本当に予測できていたと思っている部分です。
言い合いになる場面も少なくないでしょう。
では、こんな「後知恵バイアスに」に陥らないようにする対策を次項で紹介していきます。
後知恵バイアスの対策

後知恵バイアスに陥らないための対策は以下の3点です。
- 後知恵バイアスについて知る
- 過程を記録に残しておく
- 現状の結果以外に起こりえた内容を抽出する
分かりやすく解説していきます。
後知恵バイアスについて知る
まず「後知恵バイアス」に知ることで、実際にそうゆう事象に遭遇した時に冷静に判断できる確率が上がります。
そうゆう意味では、本記事をここまで読んだ方はある程度対策ができていると言っても過言ではありません。
しかし、1回見て知るだけだと忘れる可能性は高いです。
明日以降、後知恵バイアスに陥っている人を探してみたり、自分がそうなっていないか確認をこまめにすることをおすすめします。
意外と身の回りにいるから面白いかもね!
過程を記録に残しておく
後知恵バイアスは、結果を知った途端過去の情報を都合よく変える現象です。
つまり、過去の情報をしっかり残しておくことが重要になってきます。
スマホや手帳にメモを残すようにしておくのが有効な対策になるでしょう。
もちろん、残すだけではなく定期的に見て確認することも必要です。
有効なのは分かるけど、めんどくさそうだね。
そうだね。
全部メモを取る必要はないと思うから、自分の中で優先順位を決めるのが良いかな!
現状の結果以外に起こりえた内容を抽出する
1つの結果だけを見て判断していては後知恵バイアスの悪影響をもろに受けます。
現状起きている結果は1つの事実として受け止めて、他にはどのようなケースがあったのかシミュレーションすることが大切です。
物事にはいくつもの分岐点があるので、そこをしっかり理解・把握しておくことが対策となります。
まとめ:後知恵バイアスは誰しもが陥る
後知恵バイアスについてまとめます。
後知恵バイアスとは
- 物事が起きてから、それが予測可能だったと感じてしまう心理傾向
後知恵バイアスがもたらす悪影響
- 自身を過大評価してしまう
- 原因究明を実施しない
- 周りから嫌がられる
後知恵バイアスの対策
- 後知恵バイアスについて知る
- 過程を記録に残しておく
- 現状の結果以外に起こりえた内容を抽出する
後知恵バイアスは誰しもが陥ってしまう心理効果です。
ただ、この心理効果についてしっかり理解しておけば、そこまで悪い状況にはならないと思います。
最近は、テレビの評論家の意見やマスコミの報道内容は顕著にそれが出ているような気がします。
自分自身での記憶管理はキチンと行っていきましょう。
本ブログでは、他にも「人生を少し豊かに」する内容や「心理効果」について発信しているので、お時間がある時に見ていただけると嬉しいです。
では、また!!
りりまん