『インフレ』と『デフレ』は、なんとなく聞いたことあるけど、詳しい意味まではよく分からない。
と、いう人が大半だと思います。
また、意味は知っていても、それが「どのような形で」自分達の生活に影響しているのか知ってる方は少ないと思います。
『インフレ』は良い事で
『デフレ』は悪いことなんじゃないの?
一概にそうゆうことではないんだよ。インフレ・デフレにそれぞれ特徴があるから、そこから勉強していこう!
今回はそんな『インフレ』と『デフレ』について、解説し、現在の日本はどんな状況なのか説明します!
では、どうぞ!
目 次
インフレとは
『インフレ』とは「inflation(インフレーション)」の略であり、膨張や水増しなどの意味でもあります。
経済的な意味としては「物価」が上がることを指します。
つまり、今まで100円で購入していた商品が翌年に110円になったり、120円になることを言います。
『インフレ』は好景気に発生しやすく、『インフレ』が起こる要因としては、以下の2つのことが挙げられます。
- 供給に対する需要の増加
- 通貨価値の低下
1つずつ説明していきます。
好景気に『インフレ』は発生しやすいと記載しましたが、不景気にも『インフレ』が発生することがあります。
それを【スタグフレーション】と言います。
景気停滞と意味する「stagnation(スタフレーション)」と「inflation(インフレーション)」を合わせた言葉です。
つまり「物の値段は上がっている」のに「不景気のため給料などの賃金が低い」状況となります。
まさに「地獄」です。
供給に対する需要の増加
需要と供給のバランスが【需要>供給】となるとインフレが発生します。
例えば、Aさんは10個のリンゴを1個100円で売っていたとします。
これを10人が1個ずつ欲しがっている時は、価格の変動は起こりにくいですが「15人」「20人」と欲しい人が増えた場合
100円で売るより110円や120円で売った方が利益がでますので
Aさんは「これだけみんなが欲しがるんなら、もっと値段を高くしてやろう!」と思うわけです。
そのため、値段設定が高くなります。(物価の上昇)
Aさん強気ね~
嫌われちゃうよ!!
ただ、この値段設定を見誤ると商品は売れなくなるので、そこは商売のうまさが出てくるところです。
例ではAさんが需要の程度を見て値段設定をしていますが、実際はAさん以外にもBさん・Cさんと同商品と取り扱う、いわゆる「ライバル」がいますので、価格競争が行われます。
通貨価値の低下
通貨価値の低下とは、市場に出回るお金の量が増えることを意味します。
「商品(もの)自体の値段が上がった」というより「お金(紙幣)の価値が下がる」という表現が正しいです。
今は世界的にお金(紙幣)の価値が下がることが懸念されておりますが、これは「コロナ」が原因です。
「コロナ」の流行で、各業界で売り上げの低下または倒産が発生してしまっています。
国はこのような人を救うべく債券を発行し、給付金や補償のためお金を配ってます。
日本でも「定額給付金」や「持続化給付金」などがあったと思います。
つまり、市場全体で見た場合、お金の量は増えたことになりますので、通貨価値の低下を意味します。
ちょっと難しい…
なんでお金の価値が減ったことになるの?
少しややこしかったと思いますので、極端な例をあげて説明します。
先ほどのインフレ同様、Aさんが10個のリンゴを1個100円で売っていたとします。
そして、10人が1個ずつ購入しようとします。
この状況ではもちろん価格に変動はありません。
しかし、国が突然全国民に1億円を配ってしまいました。(注:実際はこんなことありえません)
すると、Aさんは「リンゴを1個100円で売ってもはした金にしかならないな~、よしっ1個100万円だ!!(物価の上昇)」
となるわけです。
こちらの場合、リンゴの価値が上がったというよりは、お金自体の価値が減ったということが分かると思います。
デフレとは
『デフレ』とは「deflation(デフレーション)」の略であり、収縮などの意味でもあります。
経済的には「物価」が下がることと意味します。
つまり、今まで100円で購入していた商品が翌年には90円になったり、80円になることを言います。
基本的には『インフレ』の逆の現象と覚えておくと良いでしょう。
そのため、不景気に発生しやすく発生要因は以下の2つが挙げられます。
- 供給に対する需要の低下
- 通貨価値の上昇
『インフレ』と逆の状態ですので、簡単に説明します。
供給に対する需要の低下
需要と供給のバランスが【需要<供給】となるとインフレが発生します。
例えば、Aさんは10個のリンゴを1個100円で売っていたとします。
これを10人が1個ずつ欲しがっている時は、価格の変動は起こりにくいですが「5人」「1人」と欲しい人が減った場合
Aさんは「安くするからみんな買って~!!」となるわけです。
そのため、値段設定が低くなります。(物価の下落)
Aさん可哀想ね…
リンゴ買ってあげようかな
通貨価値の上昇
通貨価値の上昇とは、市場に出回るお金の量が減ることを意味します。
例のごとく、Aさんが10個のリンゴを1個100円で売っていたとします。
そして、10人が1個ずつ購入しようとします。
しかし、国が突然全国民の所有資産の90%を税金として徴収してしまいました。(注:実際はこんなことありえません)
すると、Aさんは「リンゴを1個100円で売っても誰も買ってくれないよね~、よしっ1個10円だ!!(物価の減少)」
となるわけです。
インフレとデフレはどっちがいい?

『インフレ』と『デフレ』について概要は理解して頂いたと思います。
ぱっと聞いた感じ、『インフレ』の方が好景気に発生する現象なので、そちらの方が良いように思う方もいると思います。
では、『インフレ』と『デフレ』のメリット・デメリットについて解説していきます!
インフレのメリット
インフレのメリットは以下の3つです。
1つずつ説明していきます。
- 景気が良くなり、給料が上がりやすくなる
- 円安になり輸出が有利になる
- 失業率が低下する
①景気がよくなり、給料が上がりやすくなる
こちらはみなさんが一番に感じやすいメリットでしょう。
市場にお金が多くある状態ですので、企業などの業績が向上し給料などがあがることになります。
職種によっては、あまりインフレの良い部分を味わえない可能性はあります。
②円安になり輸出が有利になる
先に記載した通り、インフレとは通貨価値の低下を意味しますので、円安になりやすいということです。
例えば1ドル=100円だった時から、インフレが発生し日本円の通貨の価値が低下した場合、1ドル=120円などになります。
この現象を「円安」といいます。
今まで100円で1ドルに両替できていたのに、インフレが起こり「円安」になると120円もかかるということだね!
つまり、上記の例の【1ドル=100円→1ドル=120円】の円安が起こった場合だと、海外から視点では
1000ドルで今まで日本で10万円の価値だった商品を買えたけど、同じ1000ドルで12万円の商品を買えることになります。
「円が安いから日本の商品を買おうー!」
となるわけです。
これが円安です。
③失業率が低下する
景気が向上しているということは企業の求人も多く採用する傾向になるので、必然的に失業率は低下します。
そのため、働く人が増えさらに景気がよくなるという好循環が発生します。
インフレのデメリット
インフレのデメリットは以下の3つです。
1つずつ説明していきます。
- 物価が上昇する(物の値段があがる)
- ハイパーインフレになる可能性がある
- 資産に対するインフレリスクがある
①物価が上昇する(物の値段があがる)
インフレとは物価の値段が向上することなので、この現象は必然です。
ただし、物価の上昇に伴い給料等も上昇傾向にあるので、支出の割合ではあまり変化がないかもしれません。
②ハイパーインフレになる可能性がある
これが一番怖い内容です。
ハイパーインフレとは急激な物価の上昇を意味します。
今まで100円で変えていたものが、1年後には10万円や100万円になっているなど、考えられない状況になることです。
100均の商品がすべて100万円になるということか、、、怖いな、、、
「そんなこと起こりえるの?」と思う方も多いと思いますが、
現にベネゼエラという国では、2019年にインフレ率268万%という驚異の数値を記録し、通貨の価値がほとんど0になるという状況に陥っています。
【インフレ率】
インフレ率とは、去年に比べてどれくらい物価が上昇したかをあらわした指標になります。
去年100円で購入できていた商品が、今年110円になっていた場合、インフレ率は「10%」になります。
つまりベネズエラの場合、268万%なので100円が翌年には268万円になっていると言うことです。
③資産に対するインフレリスクがある
何度も言っていますが、インフレとは通貨の価値が低下することです。
日本人の多くは給料の貯蓄を銀行預金をメインで行っていると思います。
その状態で『インフレ』が発生すると、銀行預金の残高は減っていなくても、お金自体の価値は低下することになります。
つまり、銀行に100万円を預けていて、インフレが発生し物価が上昇すると100万円という数字に変化はありませんが、1年前に100万円で購入できていた商品は今年は買えないという現象が起こりえます。
この状況を理解している人は凄く少ないを思います。
また、今は世界的(日本も含む)に「インフレ率2%」を目標に掲げていますので、毎年2%分の預金が目減りしているのと同等ということが言えます。
デフレのメリット
デフレのメリットはほとんどありませんが、強いて言えば以下の通りです。
- 物価が下がるため商品が安く購入できる
①物価が下がるため商品が安く購入できる
物価が下がるため商品が安くなります。
一見良いように見えますが、物価の下落と同じく給料等の収入も減っているので、あまり意味はありません。
デフレのデメリット
デフレのデメリットは以下の4点です。
基本的にはインフレの逆のことが言えます。
- 給料が減る可能性がある
- 失業率があがる
- 貧富の格差が広がる
- デフレスパイラルになる可能性がある
①給料が減る可能性がある
不景気であるため、企業の成績は下がりそれに伴い労働者の給料も低下する可能性が高まります。
②失業率があがる
働き手を雇う余裕がないので、求人が減少し失業率が上がります。
③貧富の格差が広がる
デフレのメリットで記載した通り、物価は下落するため、元々お金持ちだった人たちからすれば、ただただ安く商品が買えるということになります。
そのため、お金持ちの経済状況は楽になり、逆に一般の労働者の方々は生活が苦しくなり、貧富の差が拡大します。
④デフレスパイラルになる可能性がある
デフレスパイラルとは、デフレにより「景気の悪化」→「物価の下落」→「給与の下落」→「消費の先延ばし」→「景気の悪化」という悪循環のことを言います。
デフレスパイラルになり、この状況が続くと脱却がどんどん難しくなり、長期にわたり景気の悪化・停滞する可能性が高まります。
最後に

ここまでの内容を整理すると、『インフレ』の方がメリットは大きいけど、どちらも極端だと良い結果を生まないということでした。
では、最後に「日本はこれからどんな将来が待っているのか?」について、簡単に説明します。
これからの日本は…
まず、日本はこれまでデフレが続いていました。
いわゆる「バブル崩壊」から約20年ほどです。
これを「失われた20年」と言われています。
そして、この状況を打開すべく2012年から「アベノミクス」により景気は少し回復してきました。
しかし、思った以上には景気は回復しておらず、まだ「好景気」という状況にはなっていません。
ただ、先にも記載した通り、国として「インフレ率2%」を目標に掲げている事実はあります。
国民は今の日本の状況を理解することが最重要です。
あまり楽観的になるべきではないですが、そこまで悲観するような状況でもありません。
マスコミ・メディアが色んなことを報道していますが、なにが正しい情報でなにが間違っているのかを、判断できるように教養を身に着けるべきです。
それが日本の明るい将来につながると思います。
だいぶ偉そうなことを書きましたが、間違っていないと思ってます。
みなさんが豊かで楽しい暮らしが出来ることを祈ってます!
では、また!!